株式会社ジークス代表 渡辺が綴るブログ「なべこら」nabecol

複数のiBeaconによる位置を特定する特許

iBeaconiBeaconは、普通に考えればO2Oを促進するツールとして考えられる訳ですが、弊社としては技術的なところを追求したいと思いまして、GPSが使えない環境での位置情報を特定するシステムで使えないかと研究してきました。
Beacon自体は、単に定期的にデータをアドバタイズしている訳でして、同心円上にアドバタイズされた電波の強さを3点以上のビーコンから捕捉すれば、3平方の定理を使うと位置特定が理論上は出来るはずなのです。ところが、いざやってみるとこれがなかなか難しい。最初はビーコンからアドバイズされていているRSSIという電波強度を測ることにより、ある程度の距離がわかるものと予測してました。このRSSIがくせ者でして、安定しません。障害物も無く移動していなくても、どんどん計測値が変化して行きます。ビーコンの中でも、iBeaconに限れば、Proximityという値が取れるのですが、これもかなり適当で位置情報を特定できるような代物ではありませんでした。結局、距離という絶対値も取れないので、ビーコンを正確な位置に置いても意味が無いという結論に達しました。(ここには書ききれませんが、実はもっと奥深いことが沢山あります)
となると実測値でしか位置特定が出来ないことになりまして、発想の転換を余儀なくされました。実測値から推測して、位置情報を割り出すロジックを考えるしかない。ユーザはどこを徘徊するか分かりませんが、近くの実測値を複数箇所比較して、近しい場所を特定するものです。結局、ビーコンを複数使った位置情報捕捉には、この仕組みを使わないと難しいのでは無いかとの結論に達し、この研究結果を特許出願しちゃえ!ってことで、出願をすでに完了しました。この仕組みを使うと、ビーコンは適当な場所に置くだけで位置計測が出来るので、安価なビーコンを簡単に沢山設置する事が出来ます。今後は、ビーコンを使った様々なサービスのニーズは増えてくると思いますので、この方式が使われる機会が増えることを期待しています。もちろん、現在弊社で開発しているiBeaconを使ったアプリケーションにも、積極的に使って行く予定です。
実は、今回の研究で分かったことは、iBeaconの最大のメリットは、HardClosed(アプリが一度も起動していない)の状態でもGeoFenceを超えた時にイベント(メッセージ)を発生させることが出来るという当たり前のことでした。。。。
 

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