ちょいと古いネタになりますが、最近改めてスティーブジョブスのスタンフォード大学での伝説の演説を精読する機会がありまして、以前読んだとき時よりも更に感動しております。この機会というのが、英語の勉強でたまたま教材としてスティーブジョブスのこの演説を聞いて、内容を理解するというものでした。この演説でジョブスが言っているのは、そんなにたいそうな話では無い(No big deal)、三つのことです。connecting the dots, love and loss, death。日本語に訳すと、将来を見越した経験なんてのは積めないってことと、愛と損失、死。(connecting the dotsが日本語にすると難しい。)そして最後に、彼は、 Stay Hungry Stay Foolishと言って、演説を終わりにします。彼のバイオグラフィーは私も読みましたが、結局すべての彼の経験は、最後にiPhoneという奇跡のデバイスを生み、その経験に基づいて得られる教訓は、Stay Hungry Stay Foolishなんですね。
その意味は、もちろんハングリーであれ、愚かであれということです。落ち着いちゃダメということですよ。馬鹿にならないとダメなんですよ。まあ、そうは言っても、様々なイノベーションを起こしたわがまま天才ジョブスが世界トップクラスの学業優秀なスタンフォード大学の学生の前で言うから、許される感じもしますがね。このコントラストがこのフレーズの重みを浮き上がらせているという気がしてなりません。本当にhugryでfoolishな人の前で言ったら、しゃれになりませんよね〜。
翻って、会社経営においても、きちんとした組織を作ることは、最も重要なことだと思いますが、常に真面目で普通の意見ばかりしか出ないような組織は将来的には、無くなる運命にあるのでは無いかと危惧してます。最近、弊社もノリで仕事をすることが無くなってきました。もちろん、その分トラブルも減り、利益も確保でき、ひいては社員の労働環境にもプラスの影響を及ぼしてます。でもやっぱり、そればっかりじゃダメじゃないかと。組織が成熟してくればくるほど所属する人の行動も成熟してくるのではないでしょうか。となると、何かよくわからないけどやってみたいというような直感的な動きに対して、常に抑制の方向のベクトルが働き、結局は中にいる人のモチベーションまでが陳腐化し、組織は人を生かすためものからよくわからないものへ貢献するためのもの(例えばステークホルダー、決算、メンツ、保身など)へ変貌していきます。大企業病というものはこのあたりに一因があると常々感じております。(弊社は大企業ではありませんけどね。)
ガレージ起業から始めてわずか10年で4000人の従業員を抱える2000億円の企業となった初期アップル社を作り、すぐにクビになり、めげずに新たに世界的に有名な企業を二つも創業し、さらにアップルに復帰して、現在の巨大企業アップルを再興したカリスマ経営者だったはずですが、いつまでたってもイノベーションにこだわる続けた天才でかつ傍若無人で更にわがままだったジョブスが組織論などを考えていたかは定かではありませんが、企業人として奥が深い言葉だと、しみじみ噛み締めてます。
Stay Hungry, Stay Foolish!
2014/03/18
Stay Hungry, Stay Foolish! いい言葉ですね、最近「スティーブジョブス」を読み返しています。