弊社は現在、中期経営計画を作成中です。戦略を考える時にいつも問題になるのは、受託ビジネスの領域です。受託案件というのは、プロジェクトが立案、承認された後に弊社に打診をして頂く事が多く、そのほとんどはコンフィデンシャルであるため、営業サイドは待ちの姿勢になりがちです。こちらから仕掛けて行く事はほとんど無いので、実は戦略の立てようがありません。
ここで考えなければならないのは、受託ビジネスにとって商品ってのは一体なんなのかということです。そして、それをどうやって売るかということなんです。商品は、一言で言えば、普通にはソリューションの提供となります。お客様はそのリューションという商品の品質と金額を見て発注するということになります。
品質に関しては、物理的なモノじゃ無いので、お客様が客観的に判断できる手段が少なくて、過去の実績とか担当営業やSEの個性とかで判断を下しちゃいます。実は、弊社がアピールしたいのは、技術力の高さであり、顧客満足度です。ところが、そのアピールが難しい。初めておつきあいするクライアントさんにしてみれば、そりゃ当然ですよねえ。いくらプレゼンしても、技術力なんてのはプロジェクトがスタートしないとわからない。
おっと、企業戦略の話から少しそれてしまっているような気がしてきた。。。。戦術の話に落ちつつあるこの話は、受託企業が戦略を考える時にほぼ陥る過程なんですね。私も何度もこのスパイラルに落ちて来ました。
さて、話を立て直すと受託企業にとって戦略ってのは、いったい何でしょう?本来戦略ってのは、企業が自らの意思により、目標を実現する為に外部環境を動かすか利用する能動的な自らの行為を計画する、ということだと思うんですよね。ところがいつまで行っても、受託ビジネスにおいてビジネスのスタートは、お客さんに声をかけて貰うところから。すなわち、能動的に仕掛けられないってことが、受託ビジネスの決定的な非戦略性だと思います。それでもいろいろ細かい戦略は立てられるかもしれないけど、大きな戦略を立てるのは、やはり難しい。
このあたりで結論を導き出したいのですが、そこまではまだ行けません。今回はこのあたりで勘弁しておいてもらって、(たぶんここまで読んでる人はいないだろーなーと思いつつ)続きは、中期経営計画の策定が終わった近い将来にまた書かせて頂きます。オチの無い話ですいません。
2013/08/22
計画、戦略を練ることができるのは予定案件があるから。 或いは市場を見極めた日々の活動に裏打ちされた信頼(技術力、企画力、顧客満足)があるからでしょう。すばらしい。「なべこら」の一読者として、ありがとうございます。
ご愛読ありがとうございます!
予定案件というのは、今後きっと出てくるはずで、まだまったく見えていない架空の案件だろうと思います。その流れを予測し、それに備えて技術的な取組みをし、更にASPなりパッケージなりの製品にしてしまうってのが、本来の意味での戦略に近いのでしょうか。しかし、製品を開発するということになると、受託という領域を逸脱してしまうため、受託ビジネスの戦略とはならないという自己矛盾に陥ってしまいます。本質的には、受託というビジネスを続けるかどうかいう、より根源的な話になってしまいますよねえ。。。。