株式会社ジークス代表 渡辺が綴るブログ「なべこら」nabecol

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ハノイでリクルーティング

今回は2回連続で、グローバリゼーションに関するネタです。ジークスは今年で21期目に入りました。20期に到達した時、次の10年を作る新しい動きの一つとして、現在グローバル化を進め始めまして、今回はハノイ工科大学にリクルーティングに来ました。
 

ハノイ工科大学

ハノイ工科大学


日本で言うと、東大か東工大ですよ!と、よくある殺し文句に誘われ、ベトナム人は日本人と気質が似ていて、しかも東南アジアでも有数の親日国家ですからと、そこまで言われたらちょっと行ってみるかと、来てしまいました。(もちろん、綿密に今後の採用計画を練った結果です!)
日本語を勉強している学生さんが80名程度集まってくれました。ちなみに、この大学では日本語を学ぶカリキュラムがありまして、実はこれは日本のODAで運営されているのです。素晴らしい!こういう海外への人的投資は、将来日本のために大きく貢献される投資として有効だと思います。しかもこのコースは人気が高く、参加出来ている学生さんは、優秀なハノイ工科大学生の中でも更に選抜された超優秀生なんだそうです。
 
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ODAの証が目立たないところに張ってありました。


3日間、合同プレゼンテーションから始まり、最終個人面談まで、ぎっしりと予定が組まれています。正直、日本人相手の面接ですら判断出来ないことが多いのに、ベトナーミーゼ(ベトナムの人。ジャパニーズ見たいなもんです)の面接はどうすればいいのか。何人かと面接してみてわかったことは、日本人より開放的な国民性だということかな。たまに日本で面接してる時に友達は多い方?なんて質問をするのですが、この質問は彼らには意味をなさないのですね。日本人の学生さんは半分以上の人は、あまり多く有りませんという答えになります。ところが、ベトナミーゼは、皆多いと答える。気軽に知らない人と友達になれるそうです。このあたり、違いを感じますね。
 
もっと大きな違いは、会社に対する帰属意識が強い。会社の同僚や上司とのつきあいも、むしろ楽しみにしているようで、弊社の社員旅行の話や社員で飲みに行く話、バーベキューや花見などのイベントの話をすると、皆うれしそうでした。今の日本人が忘れつつある素朴な思い、皆一緒に仕事してんだから皆で楽しめばいいじゃないかという単純な思いに、郷愁を感じてしまいました。ベトナムでは夜になっても、もちろん昼でも、道路脇にお風呂で使うようなプラスチックの低い椅子をならべて、大勢で食事をしたり談笑をしたりしているのが一般的な光景です。家にいても暑いってこともあるのかもしれませんが、とにかく他人と一緒に長時間楽しく過ごす、単純に食事をして話をしているだけってのが、すでに我々日本人にはわからない感覚なのでは無いかと思ったりしてます。私も少し覚えてる昭和のあの懐かしい時代ですかね〜。
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ご存知のように、ベトナムはバイクがメインの交通手段です。二人乗りは当たり前、4人乗りまでしてました。


さて話がそれているついでに、もう一つ印象的だったのが、強烈な豪雨です。わかってはいたけどすごい。雷が鳴ったと思ったら、凄まじい豪雨に。これはこれまで経験した事の無いぐらい激しいものでして、現地の人に聞いたら普通だと。やっぱり本場のスコールですなあ。最近日本でもすごい雨を私も経験してますけど、これが普通なんですね。こちらでは。
実はまだ印象的なことが沢山ありまして、どんどん書き続けたいのですが、長くなり過ぎなのでこのあたりで話を元に戻します。結局学生さんを採用しました。優秀な頭脳は会社の宝です。何年後かには会社の成長のエンジンになっているはず。生まれ育った環境や風習や食事が違うけれど、世界共通同じプログラム言語で開発ができるIT業界では、あまり関係ありません。問題はコミュニケーションであり、言語のバリアであったりします。これをうまくクリアする努力はもちろん必要だし、日本人を育てるよりも時間もコストもかかります。しかし、それを補ってあまりある才能を発揮して欲しいし、弊社のメンバーの刺激にもなって欲しいなあ。更に将来は、ハノイ支社設立か!
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ビアハノイです。本文とはまるで関係ありません。


ダイバーシティって、なんだかかっこいい言葉を最近良く聞きますよねえ。(お台場じゃ無いですよ!ちなみにね。)意味としては、多様性ってことなんですが、今後の日本企業にも必要とされる考え方だと思います。多様性の中からイノベーションが生まれる。生き残れる企業は、なんらかの意味でのダイバーシティを持っていると、私は思います。人を採用する時も、どこか標準と違う個性的な人が必要です。少しずつ進むグローバリゼーションとダイバーシティ化。東京オリンピックも決まった事だし、もっともっと日本も世界からいろんなモノや人や金を受け入れて、ごっちゃな中から新しいジャパニーズカルチャーが生まれてくるでしょう。きっと。
うわー、長いブログでした。

CES(国際家電ショー)、グローバリゼーション、ジークス。

国際家電ショー。CES。毎年1月頭にラスベガスで開催される展示会です。知ってますか。(IT業界の方は多分ご存知のはず)
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私は例年この展示会に、一人で参加しています。たまに、他の会社の方とご一緒することもありますが、来年は弊社の社員と一緒に行く事にしました。でも、なぜ家電展に行くの?という素朴な疑問をお持ちの方もいらっしゃることかと。まあ、要は、デジタルが家電に浸透しているってことなんですよね。以前のようにPCでITを語る時代は、とっくに過ぎ去ってしまって、実際の生活にITが浸透してしまっているということです。家電展ってこともあり、ITの先進的な技術が全面に出ているという訳ではありません。結構キワものの家電があって面白かったりします。そして、毎年参加していると、その年のITのトレンドが読めるようになります。
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ここ最近のトレンドとしては、スマートフォンとスマートテレビでしょうか。それにスマートテレビを操作する新しいUIとしてジェスチャー、音声認識や、セカンドディスプレイとしてのタブレットなども面白いです。その他、近年は電気自動車の展示も多く、自動車メーカーの出展も増えています。自動車も家電なんですね。デジタルが破壊する業界の境界線やプロダクトの機能性を端的に表している例だと思います。そうそう、それとデジタルヘルス。これも今後益々発展しそうです。
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さて、それはそうと、今回社員と一緒に行くのは、一人で現地で食事に行くのが寂しいということでは決して無く、社員のモチベーションアップと視野を拡げるためです。一般企業では最近海外出張もしづらくなってますよね〜。世知辛い世の中になってしまいましたが、ここは老舗ベンチャー(すでに20期に入っています)のジークスとして元気のあることをしたい!というより、社員に元気になってもらいたい!ってことで企画しました。
全社員からCES参加希望者を募りました。応募総数は、まあ少々残念として、社員全員海外にも目を向けられるグローバルな感覚を持つ人材になって欲しいという思いが私にはあります。フラット化する世界(トーマスフリードマン著:ここまでグローバリゼーションが!と私は純粋に驚愕)がもたらす今後の社会の変化は、日本語のバリアに守られている日本のサービス業の我々にも、否応無しに対応を迫ってくるはず。カップヌードルのCMを見て無邪気に笑っていたアナタ!(弊社社員を含む)10年後はどうなっているかわかりませんよ〜。
すでにこんな話をすること自体が古いような気がしてきた。。。。もう世界は次のステップに進んでいて、なんだか我々だけが取り残されているような。たまたま昨晩参加した勉強会では、スウェーデンの大学やシリコンバレーの事情の話がありました。最新の、いや、近未来のテクノロジーを追いかけ続けるジークスとして、やっぱりもっと新しいことに取組みたいし、どんどん仕掛けて行きたい!社員を海外に連れて行ったところで何かが急に変わる訳ではありませんが、グローバリゼーションの波に乗りつつ、時代の大きな潮流を見極めて行きたいですねえ。
欧米かっ!
 

受託の戦略

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弊社は現在、中期経営計画を作成中です。戦略を考える時にいつも問題になるのは、受託ビジネスの領域です。受託案件というのは、プロジェクトが立案、承認された後に弊社に打診をして頂く事が多く、そのほとんどはコンフィデンシャルであるため、営業サイドは待ちの姿勢になりがちです。こちらから仕掛けて行く事はほとんど無いので、実は戦略の立てようがありません。
ここで考えなければならないのは、受託ビジネスにとって商品ってのは一体なんなのかということです。そして、それをどうやって売るかということなんです。商品は、一言で言えば、普通にはソリューションの提供となります。お客様はそのリューションという商品の品質と金額を見て発注するということになります。
品質に関しては、物理的なモノじゃ無いので、お客様が客観的に判断できる手段が少なくて、過去の実績とか担当営業やSEの個性とかで判断を下しちゃいます。実は、弊社がアピールしたいのは、技術力の高さであり、顧客満足度です。ところが、そのアピールが難しい。初めておつきあいするクライアントさんにしてみれば、そりゃ当然ですよねえ。いくらプレゼンしても、技術力なんてのはプロジェクトがスタートしないとわからない。
おっと、企業戦略の話から少しそれてしまっているような気がしてきた。。。。戦術の話に落ちつつあるこの話は、受託企業が戦略を考える時にほぼ陥る過程なんですね。私も何度もこのスパイラルに落ちて来ました。
さて、話を立て直すと受託企業にとって戦略ってのは、いったい何でしょう?本来戦略ってのは、企業が自らの意思により、目標を実現する為に外部環境を動かすか利用する能動的な自らの行為を計画する、ということだと思うんですよね。ところがいつまで行っても、受託ビジネスにおいてビジネスのスタートは、お客さんに声をかけて貰うところから。すなわち、能動的に仕掛けられないってことが、受託ビジネスの決定的な非戦略性だと思います。それでもいろいろ細かい戦略は立てられるかもしれないけど、大きな戦略を立てるのは、やはり難しい。
このあたりで結論を導き出したいのですが、そこまではまだ行けません。今回はこのあたりで勘弁しておいてもらって、(たぶんここまで読んでる人はいないだろーなーと思いつつ)続きは、中期経営計画の策定が終わった近い将来にまた書かせて頂きます。オチの無い話ですいません。