Google Glassが火をつけたウェアラブルコンピューティング。Internet of thingsという言葉があるように、いろんなものがインターネットに繋がろうとするトレンドが主流になってきました。もとより、この流れは予測されていたものであり、ある意味今更新しいという感じはしない訳ですが、なにかようやく現実味を帯びてきた感があります。技術の進歩により、というか、スマートフォンの爆発的な普及により、CPU、各種センサー、ディスプレイ等の小型化と低価格化が急速に進んで、ようやく使えそうなモノが出てきた感があります。
最近のホットなトピックは、GoogleGlassを筆頭にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)や、腕時計のGalaxyGearとまだ発売されていないAppleのiWatch、ヘルスケアやスポーツの分野では、アディダスのmiCoach SMART RUNなる心拍も測れる時計(胸にまくバンドがいらない。欲しい!)やFuelBandやFitBitなど枚挙に遑がありません。とはいえ、正直、現段階では使えない物も多いです。理由は様々ありまして、例えばそもそも必要な理由がわからないとか、使い勝手が悪いとかありますが、その中でも大きな問題は、バッテリーの持ち時間です。
IT業界に長い人で特にモバイル好きは、PCを持ち運び(モバイル)始めてから様々な困難と戦ってきたと思います。不肖私も、相当早い段階からモバイラーを名乗り、4キロはあろうかと思われる、どうにかこうにかノートブックというジャンルに入る端末を常に持ち運び腰を痛めたり、こりゃまずいと、超小型のWindowsCE端末をメインマシンとして使い始めて視力を急激に落としたり、命と引き換えにいろいろとチャレンジしてきました。(語り出すと終わりません)
Internet of thingsとかウェアラブルって、実は結局モバイル端末ということなんですが、(Androidが乗っかっていることが多く、単にPCやスマホに近かったりします)、私のように社会人人生をモバイル化にかけてきた人間から言うと、私が経験してきた同じ問題を、違った土俵で解決しようとしているとしか思えません。一つはやはりバッテリーの持ち時間です。バッテリーを大きくすれば、重くなる。大きくすりゃいいってもんじゃないです。自動車の世界で言うと、EV(ある意味モバイル端末)の普及にもっとも大きな障害となっているのものは、走行距離です。200キロしか走らない車って乗りたくないですよね。いつバッテリーが切れるか、充電地点はどこかなんてドキドキしながらドライブしたくは無いですねえ。
これって、以前バッテリーが2時間しか持たないパソコンを持ち出し、いつも電源を貸してくれるお店を探していたこととなんら変わりません。パソコンが車になっただけ。私はいやです。ノーパソでの経験が多い分だけいやです。300万円も出して買った車で電源を探して走るなんてのは。
結局様々なインベーションが起こり、こういう問題が一つずつ解決してくれば、実用化に耐えうる端末が出てき始める、その過度期に今はあるようでして、将来が楽しみですね〜。IT業界にいる本物のモバイラーとしては、車やメガネだけでなく、いろいろなモノがネットに繋がってきて何が起こるのか、非常に楽しみです。しかも、既存の概念やジャンルを越える製品が出てきたりして。これまでアナログの世界で作られてきた様々な製品も、デジタルと結びついて、もっとモバイルになって、アンビアントでユビキタスなまったく新しいデバイスとして、生まれ変われるのでは無いですかねえ。