2013/12/19
iBeaconへ期待
最近、AppleからiOS7と同時に発表されたiBeaconに関する話題が盛り上がりつつあります。Bluetooth LE(Low Energy)を使ったまったく新しい通知システムです。ビーコンをそこかしこに置いておけば、そのビーコンから送られてくる位置情報を基に、スマホにいろいろな情報発信が出来るというものです。しかも、これまでのBluetoothと違いペアリングの必要がありません。
NFCに替わる技術としての活用が期待されています。Apple社はiPhoneに、頑にNFC(日本ではFeliCaの名称)の搭載を拒否してきたかのような印象を受けるので、尚更その機能を実現する為のものとして考える方がわかりやすいため、そのようになっているのでしょうね。
ガラケーから、スマホに変えた時に残念だったのは、当初おサイフケータイ(NFC)が使えなかったことです。ワンセグが見れないなんてのはそれほど大きながっかり感をもたらせませんでした(今ではandroidではワンセグも見れますけど)。今でも、iPhoneにNFCは搭載されていません。ワンセグも。なんとなく、ユーザの要望どおりに素直にまっすぐな製品を作らないAppleらしいといえばらしい。ちなみにAppleTVも面白い製品なんですが、もうちょっと素直にTVってか、SetTopBoxってかIPTVっぽい機能が欲しかったりしたりして、独自の路線を歩んでいます。もちろん、面白い製品であることは言うまでもなく、ネットに繋ぐとこう使えるのかという発見がいくつもありました。
なんていうか、Apple社って、独特の路線を歩んでいて、世間の一般ユーザーに、みんなまだ気がつかないと思うけど、ほら、こんな使い方あるよ、どう?的な開発ポリシーをいつも感じてまして、iBeaconもやはりその流れにあるような気がしてなりません。もちろんNFC的な機能は当然含めた上で、更に、幅広い使い方が将来イノベーションされることを見越してのインプリメンテーションであろうと想像されるんですよね〜。
ところが、こういう物が普及するにはいくつか条件がありまして、ユーザーがいちいち意識的に何かのアクションを起こさなければならない場合は、まず普及が難しい。iBeaconは、Bluetoothを常にONしなければなりませんが、一般ユーザは通常はONにしてないと思われます。簡単にONに出来るとしても、都度都度ONにするのは忘れることもあるし、面倒くさいもんです。じゃあ、常にONにしておけば良いですけどね、Bluetooth LE(Low Energy)はその名のとおり、それほど電気を食わないから。でも、少しでもバッテリーを持たせたいという要望と、iBeaconを使うメリットを秤にかけると、どうなんでしょう。やっぱり、Bluetoothは常にOFFという壁はなかなか越えられそうもありません。
とまあ、ここまでは否定的な意見を述べつつも、私個人としてはやはり世間を大きく変える可能性を秘めた技術であると期待しております。狭い範囲での位置情報を使ったサービスというのは、現在普及が進むGPSを使ったサービスとは別路線で、今後想像もつかなかったようなサービスが出てくるような気がします。もちろん、GPSと同じような発想のサービスは、例えば、ナビゲーション、位置情報に則した情報配信やゲーム、履歴捕捉を基にしたビックデータ分析などは、まず考えられます。更には、屋内独自の位置情報を使った新しいサービスが出てきそうですね。ぱっと思いつくところでは、入出退管理や来店履歴によるポイントやクーポン付加、お年寄り向けの生存確認、屋内での行動履歴調査、ウェアラブルへの搭載、スマホをビーコンにした(逆にスマホがビーコンになります)相互通信のゲームや災害時の行方不明者の生存確認、あまり普及しないIMESの替わり?(IMESがどれくらい普及しかかっているか知りません、すいません、余計なお世話でした)、街角にビーコンを設置して情報配信(これはベタなアイデアですな)などなど。
位置情報の正確さにより、ずいぶんとサービス内容に違いが出ますので、どこまでの精度が実現できるものか、現在弊社内で研究中です。来年にはなにか新しいアプリケーションをリリースする予定です。(内容はまだ秘密です)
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