株式会社ジークス代表 渡辺が綴るブログ「なべこら」nabecol

CES(全米家電展) 2014 視察旅行記1:TV、家電編

いよいよ来ました、毎年恒例のCES視察の時期が。というか、行ってきましたのでレポートを書かなければならない訳ですが、さてどういう方向性で書くか。普通のCESレポートにしちゃうと、真面目に取材に行っているプロの方々には網羅性や正確性に到底及ばないので、やっぱり旅行風に書くことにするかな。ということで、つらつらと書き始めることにしました。なんか、すっごく長くなりそうな予感。なのでまずは、TV、家電編からスタートして行きたいと思います。
今回の視察は、社内公募制による選出で、優秀な社員1名が同行することになりました。北陸支社所属の精鋭M君です。福井を二人で発った我々2名は、約16時間かけて現地時間の夕方にラスベガスのバリーズホテルに辿りつきました。長時間のフライトで腰を痛めたようですが、チェックイン後、気を取り直し(?)ダウンタウンのフリーモントへ夕食をとりに出かけました。

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ボールト型の天井に巨大な映像が


フリーモントは、めちゃ長くて幅のあるアーケードの天井(日本のアーケードとは全然違います)に映し出されるショーが有名です。毎時0分に始まるようで、アーケードにあるお土産屋さんを物色して、時間を調整。ショーは、確かに迫力のあるものでしたが、基本的にアメリカを讃えるものでして日本人としては、正直どうなんでしょう。その後、血の滴るような肉をM君が食いたいそうなので、そんな風なレストランを探す。アーケード内のホテルにレストランを発見。トニーズなんとかって、これこれ!そういえばガイドブックにあったよな。これいいんじゃないのって、携行しているガイドブックを確認する事無く、突入。そして、見事に的をはずしました。どうもチェーン店なんですね。リブ的なお肉を頼んでみた所、こってりとしたソースが乗っかった、想像していたものとはまったく違ったものが出てきてしまいました。はい、残念でした。とはいえワインを飲んだりして結局二人で100ドル以上。微妙な感じの満足感のまま、後はホテルに戻ってバタンキュー。移動に明け暮れた1日目はこのように終わりました。なお、M君はホテルに戻ってからも近くのベラッチオの噴水のショーなどを独りで見に行ったようです。
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今回宿泊したバリーズです。LVCCに比較的近く、ストリップの中心的な位置にあるので便利でした。


さて、二日目スタート。まずは、ホテルのレストランにて朝食と思ったら、長蛇の列。とりあえず、ストリップ通りに出てレストランを探す。すぐに隣のパリスホテルにレストラン発見。でも、この寒い中、外でメシ食ってるぜ〜。まじか!と思いつつ、とりあえず入る。insideもオッケーということで、オレンジジュースにティーと小麦パンとソーセージの何かを注文。待たなくて入れて、ラッキーと思ったのも束の間、伝票を見てすぐに座れる理由を理解する事が出来ました。二人で50ドル以上。オレンジジュースはただじゃないのね。。。。
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シャトルバス。乗る場所を探すのに一苦労です。


 
食事が終わり、早速会場へゴー。どうも、シャトルバスの乗り場がわからない。このあたりの不親切さが、日本と違うところです。しかも、いちいちホテルがデカいため、隣のホテルに行くにも時間がかかる。宿泊しているバリーズに戻り、その地下から繋がっているモノレールで行くことにするものの、チケット販売機で並んでいたら、前の人に、モノレールに乗るのにものすごい人が並んでいるみたいだぜ!(どうしても日本語に訳すと、こんな口調になりがちですね)と忠告を受け、やっぱりシャトルバスに乗る事にし、隣のホテルへ移動。ようやく乗り場を見つけシャトルバスに乗り込みましたが、その段階で腰痛が再び発症し、すでに疲労困憊状態。
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やっとLVCCに着きました。


ホテルから会場は近いので、バスに15分も乗っていれば、LVCC(ラスベガスコンベンションセンター)のサウスホールへ到着します。ここで、LVCCを簡単に説明しますと、セントラル、ノース、サウスホールがありまして、サウスは2フロアーになっています。それぞれがかなり巨大で、幕張メッセの比では、まったくありません。どれくらい詳細に見るかによりますが、まる3日かけてやっと回りきれる感じでしょうか。数年前までは、これにも入りきれずに、少し離れたサンズにも会場がありました。
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セントラルとノースの間にあるメイン通路。


さて、いよいよCESのレポートが始まるところまで来ました。ここからは、時間に沿ってでは無く、プロダクトの種類によってレポートして行きたいと思います。
今年のCESの中でIT業界に生息する私が興味を持った分野は、大きく分けて、テレビ及びAV機器、ヘルスケア&スポーツ、自動車、3Dプリンターぐらいでしょうか。
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すごい数の人が3D眼鏡をかけて鑑賞。今だにまだ、3Dなのか。セントラルホールに入ってのいきなりの混雑。


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曲がってます


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うすっ!でも曲がってる。


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WebOSテレビのプレゼン。わかりづらいですが、真ん中のカラフルな画面がWebOSTVの画面です。


 
まずはテレビから。例年通り、セントラルの入り口には、LG電子が陣取ってます。すごい人です。複数のパネルで構成した3D大画面を3D用の眼鏡をかけて大勢の人が鑑賞しています。かなりの迫力です。サムスンよりも毎年派手な演出をしています。奥に進むと、ウルトラHDのテレビが数多く、手を替え品を替え展示してあります。とにかく人が多い。先に進めません。今年のCESで発表されるテレビの特徴は、4K(Ultra HDと言ってます)とCurved(湾曲した)ですね。4Kはご存知のように、フルハイビジョンの2×2倍の解像度を持つテレビですが、Curvedってのは、画面曲がっているテレビです。Immersive(没入型)という単語が踊っているのは、視聴者を中心に囲むような形で湾曲するため、没入できるという意味なんでしょうね。とにかく、なんでもかんでもテレビが曲がってます。ここまで曲げるか!実際に映像を見てると曲がっているメリットがそれほど感じられないですけどねー。おっと、ここでもう一つのトピックがありまして、日本のメーカーが歩留まりの悪さで未だに製造にたどり着けてないOLEV(有機EL)の大型テレビの展示がありました。製品化にこぎつけられるのでしょうか。混雑する人ごみの中、進んで行くとWebOSのテレビを発見。smart TVと何が違うのか。興味しんしんでしたが、プレゼンテーションを見ていると、結局は使い易いインターフェースとユーザーに合わせた多少のカスタマイズとそれによる見たいモノがすぐに見つかるとメリットを繰り返し唱えているだけです。ユーザを認識してその閲覧履歴から、起動画面にユーザが見たいコンテンツを表示するというレコメンデーションに近いような仕組みは、パナソニックでも同じようにアピールしていました。スマートテレビの50パーセントはネットに繋げられてなくて、スマートテレビの機能を実際に使用しているユーザは30パーセントも無い理由は、やはり設置の難しさと使いづらさにありこれを解決したいとプレゼンテーションしてました。私もまったく同感です。また、普及を妨げていたもう一つの大きな問題である反応速度の遅さに関しては、今年のCESで見られたスマートテレビやそれに類するインテリジェントなテレビは、以前と比較して格段に早く、快適になっているので、いよいよ普及する可能性を感じます。
白物家電のコーナーで、面白そうなモノ発見。LINEで家電を制御出来て、普通の会話みたいな感じで、コマンドが送られるようです。これはちょっと想像がつきませんでした。このあたりでサムソンのブースへ移動。こちらのブースも、やはり、湾曲TVがメインになっています。こちらは、CurvedTVだけではなく、BendableTVがあります。Bendableは、画面をフラットにしたり曲げたりすることが自由にできます。フラットな画面から少しずつ湾曲になっていくと確かに見え方が違う。自分を囲うように曲がると画面により没入することが出来るような気がする。(気のせいか)
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LINEで家電を制御できる


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LINEと繋がる、IHクッカー


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ベンダブルTV:両端が徐々に手前に曲がります


 
 
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ベンダブルTVはすごい人だかり


 
 
 
 
 
 
 
 
 
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サムスンのブースです。やっぱりテレビが曲がってます。


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パナソニックのブース。やっぱり、曲がってるぜ!


さてサムスンのブースもすごい人ではありますが、特に目新しいトピックが無かったような気がします。すでに、ネタ切れか。どこのメーカーも、今年はテレビに関してはあまり目新しいネタが無いようです。むしろ2、3年前に考えだされた新しいコンセプトを製品化するために、技術を熟成させているかのような感じでしょうか。
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テスラモータの車が展示してありました


次は、パナソニックのブースへ。最近は元気の無かった日本のメーカーが、円安により復活していることを秘かに期待して、足を運ぶ。おー、やっぱり曲がってる!ブースに入ると車も展示してあります。テスラモーターにバッテリーを供給しているんですね。話は逸れますが、帰りの飛行機の中でテスラモーターのドキュメンタリー番組をたまたま見まして、そのコンピュータとロボットを使ったすごいハイテク工場と、製造するまでぎりぎりモノを作り出さないというスタイルに少々驚きました。電気自動車という製造物が、製品としての信頼性とか高級感とかを、ITを使って作り出される様が面白かったです。
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リモコン。音声認識も出来ます。(LG製)


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巨大なソニーのブース


パーソナライズされたテレビのプレゼンテーションをしばらく見学。顔認識機能があり、テレビの前に座ると自動的にスイッチが入り、個人を認証し、その人が見ていたコンテンツや嗜好に合ったものを自動的にレコメンデーションを出来るようで、沢山ある好みのコンテンツをいちいち使いづらいリモコンで探す必要がありません。リモコンには音声認識の機能もついてまして、リモコンに向かって声をかけるとテレビがエージェント的にユーザーの指示通りに動きます。また、自分が見たコンテンツをシェアできるという面白い機能がありますので、ネットに繋がった友人にお勧めする事が出来ます。もちろんソーシャルとの連動もあります。リモコンは、テレビチャンネルいう概念から変化して、かなり使いやすくなっているようです。他のメーカーでも同じ事が言えます。テレビという発想から抜けられなかった時と比較して、テレビ番組というコンテンツも他のコンテンツと同列に考えて、ユーザが何を見たいかを主に考え直した結果でしょう。チャンネル切り替えをメインに考えるのはおかしいといえばおかしですから。(ただし日本ではそう簡単にはいかない。)
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机の上にプロジェクションされたイメージを指で動かすことが出来ます。


次は、ソニーのブースへ。例年、セントラルの奥の巨大なブースを借りています。キーノートスピーチでPlaystation Nowの発表があったようですが、確か以前も似たようなコンセプトをSONYのブースで展示してたのを覚えています。ブース奥の大型ディスプレイはHMDにてプレゼンテーションが見れます。生憎、プレゼンテーションの時間が終わった所だったので見れませんでした。残念。
SONYの平井社長のキーノートスピーチに登場したライフスペースUXのデモブースがありました。スピーチ中に頻繁に出てきたWOWやKando(感動)をもたらすことが出来る新しい提案です。モーションキャプチャーのテクノロジーを使って(ると思う)机の上に投影されたイメージを指で動かせるようなインタラクションが出来ます。見ていると、想定どおりにはなかなか動かないように見受けられました。これがそれほど感動を与えるイノベーションかと言われると、正直わかりません。その他、さすがソニーなのは、ハイレゾリューションオーディオの機器があることです。スマートバンドなどのヘルスケア関連やスマートウォッチは別のパートで説明します。もちろん、PlaystationやXperiaなどの、豊富は商品群の展示は相変わらずです。
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鏡に様々な情報が表示される


東芝のブースには、毎年恒例のグラスレス3Dテレビがあります。以前よりかなりいいレベルに達しているようで、ちゃんと3Dに見えます。ただ、正面から少しずれると、3Dが物体が2重に見えたり、ボケたり、長時間見てると疲れるような気がします。他のメーカーさんのブースでもいくつかグラスレス3Dの展示がありました。眼鏡無しで見れるのは、メリットが大きいですね。そして出来れば、寝転がってみても3Dが見れるようになってほしいです。ちょっと珍しいところでは、ディスプレイする鏡がありました。鏡の上に様々な情報が表示される訳です。例えば朝鏡を見ると、天気予報がニュースやその日の予定などが表示されたり。
 
 
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5 in 1。5通りに使い方ができる


一つの筐体で5通りの使い方出来るモバイル端末が、展示してありました。あまり積極的にアピールしていないような感じも見受けられましたが、たまたま人がいなかっただけでしょうか。
他にも沢山のブースを見て感じた事は、テレビ、AVに関しては全体的に見て、新しいネタが不足している感は否めないと思いました。スマホやタブレットとの連携についても、特に新しい提案も無く、やっぱりしばらくは4KTVがメイントピックになるのでしょうか。
このあたりで、テレビ、AV編は終わりにします。まだまだ、続きますので、乞うご期待。(だらだらと長過ぎます?)
 

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